写・文 Kyoko Murakami No.18

By hinaton

真夏の秋田に咲くあじさいです。

 

 

 

 

 

武家屋敷

 

 

 

 

 

お骨になったさくらの画像が届いた携帯を胸ポケットに入れて、長男と河のふもとで冥福を祈る

 

 

 

 

 

 

  まだ明けきらない空に十和田湖を見て

 

 

 

 

 

おいらせ(奥入瀬)渓流

やまよもUPが遅れがちですが、プライベイトサイトなので許してね!

オンタイムで書いていても、オフィシャルサイトが優先、

こちらでは画像などの編集をする時間がないと、UPが遅れてしまいます。

どんどん遅れてついに半年遅れでUP! 

毎年6月恒例のプライベイト小林一族旅行も、今年は各々に忙しく日程とれないまま。

今夏も一時帰国の長男夫婦の希望で、正しい日本の夏を味わうために

秋田、青森に出掛ける事になっていたおかぁ。 

具合悪そうな老犬さくらも入院中、母も入院中、そのうちおかぁも入院命令

出るのでは‥?と言う休みなしの日々の中で、たった二泊ではあるけれど、

旅立つ事にしました。 

長男がジャーナリストとして取材で海外から秋田に降り立った際に、

「なんて詩情豊かな土地だろう、プライベイトで又行きたい、と

感動した、と言います。 私も各地に飛びますが、いつも仕事柄、町なかばかり。

ホント、親子して無性に田舎に憧れているのでした。

往きの車中で携帯が鳴ったのは、動物病院からでした。

体力が少し回復した様子の、さくらに手術をするなら今日中、但し結果は50%

このまま様子見していても50%、いずれにせよ回復は望めない、との事。

迷わず即答で、「手術に賭けます!」と答えてました。

おとうは東京に残っているので、すぐに付き添う様に、連絡しました。

日本で一番深い湖、田沢湖近くのホテル、紫陽花がまだ満開、

杉の林の傾斜のテラスの夕方、そこにもう、訃報は届きました。

よく晴れた日なのに、夕方の林は暗く、風が より冷たくなりました。

さくら。 ありがとう。 沢山仔犬を生んで長生きしたネ。 7.9

ホーホケキョケキョケキョケキョ、と鶯は鳴いて、ドプリのろのろ流れる緑の河に

神の岩橋がかかり、橋を渡ると携帯に、もうお骨になったさくら、私の育てた

薔薇の花に囲まれた白い箱の写メイルがけークンから届くのでした。

河のたもとに抱返神社、抱き返る、って、デブのさくらは抱っこが嫌いだった‥

でも最後に私に抱かれて入院して‥と、思いつつ抱返神社で冥福を祈ります。

抱返渓谷から、秋田のみちのく、小京都とも言われる角館(カクノタテ)へ向かい

葉桜になったしだれ桜の並木の中、静かでおごそかな武家屋敷の街並みを

ゆっくり散歩。 茶屋で食べたしこしこの稲庭うどん、大きな茄子の田楽。

桜の木でいぶした沢庵、いぶりがっこが美味しくて、色々な種類を買いました。

漬物には目がないおかぁ、北は、白菜のニシン漬け、長野、新潟、野沢菜、

京都のすぐき、奈良漬け、九州の高菜などなど、青森ねぶた漬けも大ぁい好きです。

東京、目白生まれのおかぁ、各地の美味しい味を、歌を唄のお仕事で

全国に行く様になってから知ったのです。 

おかぁも16才から歌のお仕事で日本中回りました。

八幡平から十和田湖の畔の温泉宿でもう一泊。

携帯の受信状況の悪い山越えで、この日ばかりは犬のサクラ没後の段取りや

夫犬老サブの事ばかり気がかりで受信の柱が三本立つ所に出ると、

留守宅からの着信ばかり気にかかる、確認道中でした。

息子夫婦は早朝から十和田湖回りを散歩したんだって。

それも知らずに疲れがでたのか、ぐっすり寝てしまいました。

奥入瀬渓流に沿って走る道はまだ新緑の緑、樹木のトンネル。

いわなや、やまめが釣れると言う澄んだ水、小学生の頃、父と渓流釣りに

夏休み中、旅した頃を思い出しました。 河に点在する岩にも青々とした植物や白い花が

咲いています。 左手の渓流、右手に蔓紫陽花、山ぶどう、白もっけ、猫も喜ぶまたたび、

保険金殺人のとりかぶとなども生息する、とど松の林を見ながら走ると、

あたりは開け八つの山並みが揃い見えた、八甲田連峰。

今も頂きに雪を見せる八甲田山で、明治35年ロシア軍を迎え撃つ訓練のため、

マイナス41度の行軍で亡くなった210人の記録を本で読んだ時の震える思い再び。

晴れた日に連峰を意識して眺め、胸が一杯になりました。

ああ、こうして来てみれば、一年中各地飛び回っていても、

プライバイトな観光である事で、感動は深く胸に染み入り、疲れがすーっと取れて行くのです。 

旅の疲れは仕事の疲れを癒して

十日後に又コンサートですぐに来る、青森、秋田の持つ表情に感動。7.11

 

 

 

 

 

 

このデカイお腹はデブじゃなくて病気だった!

 

 

 

 

 

しこしこ稲庭うどん、うま!

 

 

 

 

次男けークンからポケットへ送信されたさくら

 

 

 

 

ねぶただ! ねぶた漬け、大好物!

 

 

 

 

 

 

赤い実の隙間に河は流れる

 

 

 

 

 

美人なのです美犬はなこさん。 この顔は、初対面の日の顔です。まだ生後半年くらいかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一段のステップも降りられない花子と、老犬サブの 初対面。

 

 

 

 

 

漢方薬になる山ぶどうが窓を包んでしまった!

 

 

 

 

 

 

約ひと月、日本に滞在していた長男夫妻はフィリピンへ行くためにTaipeiへ戻りました。

お嫁さんの秋子とは、いつも友達の様に沢山お喋りするけれど、

英語しか共通言語がないし、帰国した後になって英語で会話していたことが

とても不思議。 なぜなら特別英会話が得意でもないおかぁが、

どうやって喋っていたのかを、全く覚えていないから。

会話の記憶は全て日本語になって記憶されているのです。

言語って、そういう物なのだな、と。

滞在中、秋子は私の母を献身的に介護してくれました。

いつもおかぁが朝から晩まで仕事に追われて合間々々に

母の所に駆けつけるのを見ていて、日本に滞在中は毎日、

母に付き添ってくれたのでした。

私もその間は、気持ちが落ち着いて大助かり。 料理をする時間も持てました。

ほとんど日本語の解らない秋子へ、母はその事を忘れて日本語で喋っています。

秋子の喋る単語は「オカアサン」と「アリガト」だけです。それでなんでも通じます。

ところで、めす犬さくらが死んでひと月、朝、事務所敷地内に、

歯がまだ子供の、メス犬が寝ていました。 大きな子供です。

人恋しくて、手を差し出すと体重をすっかり預けて、抱っこの格好になります。

外に連れ出すとおびえて全く歩きません。 おうちの中で飼われていたのでしょう。

散歩も出来ない怖がりで、引っ張っても家の外に出ない犬が、

どうやってここ迄歩いて来たのでしょう。 誰かが連れて来て置いて行った、

としか考えられません。 今年死んだ猫の白ぴーちゃんが生み捨てられていたのと

同じ場所です。 事務所に入ったらもう外には出ず、自分の家のような顔をして

甘えてきます。 お水とドッグフードをあげると、水をがぶがぶ飲んで、

フードは不思議そうに眺め、匂いを嗅いでから恐る恐る口にして、

きゅうにガツガツ食べ始めました。 ドッグフード初体験の様子。

うちで育てた犬猫の名は、鼠、雑巾、丸、三郎、千代子、桜、などなどまだまだ

いますが、少しずつ名前らしくなって来ています。

日本名が好きなのでおかぁは「あなたは花子?」と尋ねると、「はい」と言いました。

花子をデジカメに収め、ポスターを作り、交番に届け近所中に張り出しました。 8.18

事務所前の空き地は、冬には、こんなだったのに

今は、ジャングルとなり、窓の外の景色はすっかり郊外のリゾート地!?

ここが山手線駅から徒歩3分の場所だなんて信じられない自然発生緑化じょーたい!

前の道さえ見えず、私の背丈を越えた山ぶどうの蔦が

窓を覆い、副都心のビル群も見えなくなりました。 おかぁの背丈より高い木や草は、

天気の良い日はデスクの上に、木の葉からこぼれる夏の陽がチラチラと揺れて、

PCのキーボードに向かう手に動く影を落とします。 

前の道は、あらゆる犬の散歩道、ドッグショウを見ている様に、

色々な種類の犬が飼い主と通るのに、それも見えなくなりました。

駅からここに続く道を入ると、そこは猫横丁であらゆる猫が集まります。

計画道路の計画が立たない?ために、住民以外の車が入って来ない道だからでしょう。

花子の飼い主は現れません。 事務所外の大きな植木鉢の中に雨水が溜まり、

その中に、誰も飼っていないのに、金魚が三匹居るのを見つけました!

犬なら、迷って歩いて内に来る事もありますが、金魚は歩いて来ません。

金魚も、知らない人が置いていったのでしょうか?

昔からなぜか、色々な動、植物が勝手に集まるおうちなのでした。

犬、猫は勿論、ある日朝起きたら庭に鉢植え観葉植物が、10鉢ほど、

投げ入れられていた事もあります。

外を怖がって歩けない花子も、歩いて迷い込んだとは思えません。

 

 

 

 

 

桂クンに抱っこの花子

 

 

 

 

後ろ足も伸ばして寝ます。

 

 

 

 

迷子の犬、保護してます。

 

 

 

 

玄関外の原っぱがジャングルに!

 

 

 

毎日練習に来るてまりの二人は犬が大好きで珍客花子出現に大喜び

copyright: Shiny's Office inc. November .2006 Kyoko M