お雛さま、今年も飾る時間みつけられなかった

やまよも写日誌No.15

写・文 Kyoko Murakami

 

 

 

 

 

 

 

ぼんぼりみたいなライト

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日まで歩くのは普通の事だったのに

 

 

 

 

 

 

 

       

お花屋さん買った桃の花の小枝を母のベッド脇に飾ったけれど仰向けの母は気がつかない

 

 

 

 

 

 

 

サブチャンと仲良しだった白ぴ

 

 

 

 

 

 

 

後ろにいるのが白ぴ。前の真ん中が黒ぴ。 これは死にそうな所を救助してきれいにしてあげた数日後の撮影。 初めは哀れな子猫達でした

 

 

 

 

 

 

 

“てまり”

 

 

 

 

 

 

 

あかりをつけましょぼんぼりに

おはなをあげましょ桃のはな

 

 

 

 

 

 

 

 

枯れ枝になって心配していた薔薇も、ちゃーんと新芽が出るのでした! 

 

 

 

 

 

 

 

 

降り注ぐ光り、照明合わせリハ

 

 

 

寒い日が続いています、雪がまだまだ降る予想です。

雪の中でもゼラニウムは寒さに耐えて咲き続けています。

夏の暑さにも耐えて、冬でさえ。 一年中咲いています。

今年は春の兆しが遅くて冷たい日々の中、

冷凍になってしまいそうな花達を見舞う時間も取れず、

気がかりで気がかりで。 夜中になって眠る前のひととき、

そーだ、写真撮ろう、机の上に散乱する雑貨など撮しつつ、

ヘンな時間にボリボリ何かを食べてしまう悪い習慣がついてます。

寒い時期に大体3,5キロは太る事に気がつきました。 わぁ‥

かれこれ35年も続いているK.Mボーカルファミリーの

ファミリーライブを数年振りに行う日は雨でした。

やっぱりおかぁは雨おんな? 雨の日も好きです。

20代の頃、自然発生的にボーカルをやりたい人々が集まり、

そしてその中から沢山の人がプロに育ちました。 

我がグループのThe Shiny Stockingsも、ボーカルファミリーから生まれ、

次男も五歳の頃からファミリーライブに勝手に飛び入り。

放っておいたらいつのまにかプロになって唄っています。

プロになった人々、その数、おかぁの認識を越えています。

Voファミリーライブで初めて唄う人、小林洋トリオで。         

そのまま、けークンは中学生でライブ出演ひっぱりだことなり、ビックリでした。

三つの頃からベースの緑川さんの膝の上で遊んでいたのに。

その頃から緑川さんのヘアースタイルは今と同じ(!?)

なぜか二人は今も、公私とも良いコンビで続いているのが微笑ましい。

けークン、今夜も久々に20数名の伴奏をかって出て楽しそう。06.2.1

←この花、春一番に見つけるおかぁの好きな野草

良いお天気になった午後、一本の電話が母の事故を知らせて来ました。

二月五日、元気に86才を迎えた母を呼んでの夕食には家族全員のほか

友達まで集まって賑やかに過ごして、今でも一人でどこにでも出かける母の

体力には敬服していたのだけれど。

複雑に骨折をした母は救急病院でさして痛がりもせずボンヤリと

仰向けに寝て、次から次に質問を受ける私の方がバタバタ。

早くした方が良い手術はよその病院に移さねば無理との事、

とりあえず夜になって兄と遅い夕食を取った時まで

私は何も食べていない事に気がつきました。

入院待ちの予定の病院の空きが運良く翌日午後に知らされ、

再び母と寝台車に乗って転院、それからずっと検査検査の間、

病院と自宅と母の自宅を何往復したか。

こんな日がいつか来るのでは‥と思いつつ突然、

そんな日がやって来たのでした。

手術は五日後の予定、痛がり始めた不安の母に付き添い、

「なーんにも心配ない」と言い続けました。

合間に仕事打ち合わせやら、レッスンやらの掛け持ち、

転院した先が偶然徒歩圏だったのが何より。

駆け抜ける裏道の寒さが身に染みて、今年は春の遅い事に気がつきました。

再び母が歩く日が来るのでしょうか。

でも、合間合間に裏道走る私は、普段より何倍も運動になっている事、

元気で走れる事、神に感謝。 06.2.18

おかぁの帰宅を待っていつも玄関に迎え出る犬二匹、猫二匹。

おや、今夜は白いぴーちゃんの出迎えなし?

と思ったら、リビングの犬お気に入りの箱に入って眠っていました。

翌朝、手足伸ばして大の字になった白ぴが猫用トイレ前廊下に。

なんか様子がヘン! びっくりして抱くとあの柔らかい体が、少し硬いのに

キリリとした目をしておかぁをジっと見つめるのです。

土曜日早朝、犬猫病院はまだ開いていないけれど、すぐに電話。

猫病院の診察台に上がった時、「ニャーウ」と泣いた声、じっと見つめた瞳。

白ぴは検査のために奥に連れて行かれ、待つ間に又、母の病院に走るおかぁ。

30分もしないうちに猫病院から連絡あり、駆けつければ、

心電図の線が既に真っ直ぐに伸びて「O」のデジタル数字。

体につけられた沢山のチューブは、母の病室みたいでした。

帰宅にはもう、白い箱に入って来ました。まだ三歳半。

昨日まで元気でしたのに、尿管に結石が出来て全ての機能が一夜にして悪化していたそう。

あの夏、家の裏に生み捨てられ、どしゃ降りの雨の中、泥水にまみれ流されそうで。

泥水の中、お腹を空かせてはい回っていた目も開かない子猫5匹。

二匹は助からず、二匹は貰われて行きました。

助けてから数ヶ月間、三時間置きの授乳、でも白ぴはお尻から腸がはみ出していて、

皮膚病で毛もまばら、介護の結果、このきれいな白黒模様になったのです。

あの時、死んでもおかしくなかった。 幸せに三年半生きられた事に感謝です。

家に帰り、これからライブというのに、おとぅがお花畑に穴を掘ってくれました。

うちに幸せに育った代々の犬猫は土に還してあげます。

今は枯れ野原だけど、そのうち緑に覆われて、猫の花が咲くのです!

悲しむ暇もなく、ライブの銀座まで走り、そのあと三度母の病院に戻りました。

元SSの恭子ちゃんの父上の訃報が続けて入り、彼女も緊急帰国するそう。

 

てまり!

そんな日々の間に「てまり」と名付けたグループがデビューしようとしています。

チェロを弾きながら唄うあやかちゃんと、ピアノを弾きながら唄うさららちゃん。

この二人のハーモニーはさらさらと透明で鞠の様に弾んで

病院からスタジオに帰ると二人が熱心に練習を重ねています。

スタジオから病院に帰ると母が「あいたたたたッ」と顔をゆがめて唸ります。

行く道の沈丁花の蕾が昨夜より膨らんでいます。

「てまり」のライブ収録も明日です。 06.2.27

雛祭りの朝、雛祭りの歌詞を思い出して「楽しい雛祭り」と言う曲の、

曲調の寂しさに打たれました。 何番かの歌詞に

「お嫁にいらした姉様に、よく似た官女の白い顔」と言う所があって、

このメロディの悲しさに、小さい頃はお嫁に行くのは寂しい事なのか、

と思ったほどでした。 その夜のライブも超満員で、

おかぁは久々に桂クンと掛け合いで唄いました。

桂クンと二人でハモる曲もレパートリーにはあるのですが、

桂クン中学の頃に桂クン依頼で唄ったきりで、歌詞も忘れ、

キィも互いに変わってしまったので、今夜のライブでは久々に

ソロでも唄ってみました。なぁんと、唄えばちゃんと歌詞はスラスラ出て来ました。

そーだ、おかぁ25年間ソロシンガーだった後でSS結成。

ずっとThe Shiny Stockingsの育成に時間費やし、

沢山の人を育てて行く間、ソロで唄う事は時間的に無理でした。

練習室はいつの間にか、Shinyの練習以外は次男が独占していたし、

それ以外はおとぅがアレンジで使用、おかぁの時間はなくなってました。

こんな風にキィも決めずぶっつけで唄う事が出来るのはソロならでは。

コーラスは365日のうちほとんどが練習よ、と

あのマンハッタン・トランスファーさえ言っていたけれど、

結成して初めの10年はそんな日々でした。

もう22年が過ぎ、4,5年前におかぁがリードから抜けて、

それ以後は、たまの練習の日に全員が揃う事が無理になってました。

練習出来る面々で続けて行くグループ、

常に続けられる音楽は人とのアンサンブルの賜物です。 06.3.4

母の手術はちょっと大きな手術と言う事で、旅先から駆けつけ、

とにかく麻酔から生還、ホっとひと息、なるべく早くリハビリに入らないと、

歩行が無理になる、と言うのに、怖がってリハビリしたがらないのは、老人の常、

とお医者様の話でしたが、起きあがるのが精一杯で数日過ぎ、

座るのも疲れるから、と数日過ぎ、そのうち「このままでいい」と言い出す母は、

大分遅れてやっと車椅子のひととなりました。

私の病院見舞いもひと月が経過、その間にも春がどんどん近づいていた事に、

例年の様に素早く気がつかなかったのは、あまりに寒い日が多かったから。

マネージャーで現場入りしていた沼津のコンサートホール付近で、

梅も桃も一斉に咲いている本物の春到来! に、やっと気がつきました。

思い返せば本当に、この季節に無我夢中で脇目もふらずに

病院への裏道を何往復走った事か‥

それだけに、満開の春の花に感動して無口になりました。

降る様な光りの中で照明合わせの見慣れたリハのシーンで突然、

こーんな日々が前にもあったな‥そーだ、いつの日からか

コンビの相方がけークンに入れ替わったおとう、

ずっと変わらずひたすら音に向かっているひと、

Duoと言うのは二人だけれど形態もいつのまに受け継ぎ繋がって、

それは当たり前の様でいて不思議な気分でした。 06.3.15

桂クンより若く桂クンと同じほどに細い、ン十年前のおとぅ。&おかぁDuo

  copyright: Shiny's Office inc. March.2006 Kyoko M

春の雪

 

 

 

 

 

 

 

インディアン人形の下ぶくれの顔がお気に入り

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見つけて撮したこれは、左の絵みたいに青い花もまばらでよく見えないけれど、大好きな花です。

 

 

 

 

 

 

 

 

まだダウンジャケットが離せないけれど道に写る影に春の陽を感じる

 

 

 

 

 

こんなだったンだよ、白ぴ

 

 

 

 

 

写真が嫌いでカメラを見ると逃げる白ぴ

階段上に光るサクラの目!

 

 

 

 

 

ピアノとボーカルのさらら

チェロとボーカルのあやか

 

 

 

 

 

お嫁にいらしたねえさまに

よく似た官女の白いかお

お雛さま顔したSS,2ndボイスまきちゃん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今年はタンポポの花も遅い